アトピー・潰瘍性大腸炎 雑記

アトピー治療薬デュピルマブについて考える




この前アトピーの治験を始めたと書いたんですが

そのことを話すと、

アトピーの新しい薬出たらしいからそれやればいいじゃん

的なことをよく言われます。
最近ニュースで取り上げられたのかな?

かなり効果があるらしいのですが、いろいろと問題もありそうだったのでまとめてみます。

先に結論:まだ待ったほうがいいんじゃない?

ものすごい効くって噂なので、どれだけ金を積んでもやりたい!!って人はいると思います。
ただ、個人的にはまだ様子を見たほうがいいんじゃないかなーと思います。

  • 薬価がとにかく高い
  • 長期継続が必要な薬だが、正式に治療で使われるようになってからまだ1年経ってない
  • 今後、制度が変わることがあるかも

前にヒスタグロビン注射について書いたんですが

これも、すごい効くって噂だったんですよ。

重度のアトピーにも有効「注射治療」の実際

で、実際に半月くらい打ってたんですけど、最初はめちゃくちゃ効いたのにだんだん効果が感じられなくなってきてやめてしまいました。
まぁ1回1500円くらいで安かったのでいいんですけどね。

デュピルマブはめちゃくちゃ高いので、もう少しほかの人のレビューを待ったほうがいいような気がします。

デュピルマブとは

2018年1月19日に認可された、新しいアトピーの治療薬です。
アトピーの薬としては10年ぶりの新薬ということで注目されています。

薬の形状

皮下注射式です。

なかなかゴツいシリンジですね…。
インフルエンザワクチンはもっと細いのに…。

理由は画像を見ればわかるんですが、インフルエンザワクチンは大人で1回0.5ml。
それに比べてデュピルマブは1回につき2mlも打ちます。。。

インフルエンザワクチンの注射はなぜ痛い?医師の視点

にあるように、皮下注射はワクチンの液体が皮膚の下に溜まって膨らむ=痛いです。
インフルエンザワクチンでもちょっと痛いなーと思うのに、その4倍を打ったらもっと痛いはず。
恐ろしや…。

今は病院で打ってもらう必要があるのですが、そのうち自宅で打てるようになるかも、とのこと。
いや、こんなの自分で打つ勇気ないですけどね。。。

薬の効果

簡単に言うと、
アトピー性皮膚炎の皮疹やかゆみの原因になっているものを選択的にブロックする薬剤です。
具体的には、IL-4IL-13というタンパク質の作用をブロックしています。

こころ皮ふ科クリニックより

ということです。
詳しい図などはリンク先へ。

投薬期間

長期間続けるタイプの薬です。
16週までに効果が見られない場合は投薬を中止する場合があるそう。

いつまで続けるかという明確な指標はないですが、よい状態が6カ月以上維持できれば中止できるとのこと。

薬の費用

気になるお値段。

こいつが1本、なんと、

81,640円です!!

3割負担で24,492円。
1割負担で8,164円です。

使用量は初回が2本、それ以降は2週間ごとに1本ずつで、最低でも6カ月打つとすると

なんと、三割負担でも注射代だけで34万円かかります。
実際は診察料もかかるしほかの薬も併用すると思うので、もっとかかりそうですね。
6カ月で終わり、という人も少ないでしょうし。。。

1月 73,476円 初回2本+1本
2月 48,984円 2本
3月 73,476円 3本
4月 48,984円 2本
5月 48,984円 2本
6月 48,984円 2本
合計 342,888円 14本

医療費の助成制度

前述の通り、デュピルマブは高額な治療なので、医療費の助成制度が使える可能性があります。
もしも所属している健康保険組合が関東ITだったら、すごく安く受けられるかも。

高額療養費制度

高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払った額が月初から月末までで上限を超えた場合に、超えた金額を支給する制度です。

高額療養費制度ー厚生労働省保険局

70歳以上と未満で計算が変わるんですが、アトピーが多そうな69歳以下だとこんな感じ。

過去12カ月以内に3回以上上限額に達した場合は多数回該当となり、上限額が下がります。
ただ、この金額が結構微妙なんですよね。

前述の表のとおり、大体は月に2本打つので48,984円。
これだと、診察料やほかの薬代を合わせてやっと上限を超えるかな、くらいの金額です。
4カ月目以降で1~2万戻ってくる、くらいの感じですかね。

付加給付制度

付加給付制度は、健康保険組合が行っている「1ヶ月間にかかった医療費の自己負担限度額を決めておき、限度額を超過した費用を払い戻す制度」です。
基本的には会社員とその家族が対象だと思います。

例えば、IT系企業が多く加入している関東ITだと、「一部負担還元金」という制度があります。

保険医療機関等で受診した際の支払額(「入院」「外来+調剤」別)が20,000円を超えたときはその超えた額が一部負担還元金等(付加金)として給付されます。高額療養費に該当しない場合でも一部負担還元金等(付加金)は給付されます。

関東ITホームページより

これは「同一人が同一月に同一保険医療機関等で受けた治療」が対象なので、同じ病院で治療を受けている限り月の負担は2万まで。
関東ITは加入者が若い=医療費がかからないから保証がすごいです。

ほかの健康保険組合については問い合わせてみてください。

医療費控除

実際に払った医療費が10万円を超えた場合に、確定申告すると税金が戻ってくるアレ。
ここにモデルケースがありますが、そんなに期待するほどじゃないですね。

医療費控除でいくら戻るの?

年収600万、妻(専業)+子供2人で医療費が30万だった場合に、所得税が2万円戻ってきます。

所得や家族構成で変わるので計算が複雑ですが、ここにシミュレーターがあります。

医療費控除額シミュレーション

もちろんないよりは全然いいんですけど、確定申告しなきゃいけないのが面倒ですね。
病院の領収書などは捨てないようにしましょう。

その他助成制度

ほかにも、会社独自のものや自治体の助成金などなど。
子供を対象にした医療費の助成金は多くの自治体にあるみたいです。

これについては存在を知らないと申請できないので、いろいろ確認しまくるしかないですね。。。
病院の先生に聞いてみるといいかも。

その他気になるところ

病院に行っても、最低45分以上待つらしい

病院で注射する場合、冷蔵庫から出して常温で45分以上置いておく必要があるとのこと。
デュピルマブを打つ人が大勢いる病院ならまだしも、たいていの病院では45分以上待つことになりそうです。
予約式の病院なら時間を合わせてくれるかもしれません。

一旦投与を中止→再開した場合に、効かない場合があるらしい

これはデュピルマブというよりも抗体医薬の特徴ですが、休止と再開を繰り返すと、薬剤の効果が減弱する可能性があるとのこと。
高いお金出して効かないとか嫌すぎる。

症状が改善してからデュピルマブを休止してもいい状態が続くことが多いとされてますが、そもそもこの薬が実際に治療で使われるようになったのは2018年4月23日以降なので、まだまだデータ不足ですよね。

15歳未満には投与できない

現状は高校生以降が対象。
15禁のお薬です。

一定の指標をクリアしないといけない

ステロイドや免疫抑制剤などで症状がコントロールできている人は対象外とのこと。
先生の診断次第です。

結局のところ

最初に書いた通り、私はまだ見送りかなーと思ってます。
というか今治験中なのでほかの薬使えない。

まぁ、ほかの薬が全然効かなくて休職=収入が減ることを考えたら安いのかもしれないですし、懐に余裕があるのであれば選択肢の1つとしてはいいんじゃないでしょうか。
あとは助成金がっつりもらえそうな人とか。

アトピーの治療経過をブログに書いてる人は結構いるので、来年あたりに注射やめても症状でない!!って人がたくさん出てくるのを期待してます。

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